あがいても平凡

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人生2度目の禁煙、煙草が大好きだ!

実家でタバコを吸っていると必ず、禁煙に成功し、嫌煙家と化した母が言う言葉

「絶対にご近所さんに見られるな、女が煙草を吸うなんて…」

「お金がないのに吸うなんて馬鹿」「百害あって一利なし!」

この言葉を幾度となく言われてきた為、煙草=吸うやつは馬鹿、病気を引き起こすもの、世間から白い目を向けられる嗜好品というイメージがついていた。

 

煙草を吸ったきっかけは

親が元ヘビースモーカーであまりに美味しそうに吸っていて、匂いは臭いのにそんなに美味しいのかと思っていた。大人にしか味わえない世界。羨ましくて大人の仲間入りをするために吸い出した。なんだか悪そうなことがしたかった。(馬鹿な理由!)

 

何故今も吸っているのかというと、

カッコつけて吸っていたら辞められなくなったからだ(馬鹿な理由!)

 

1度目の禁煙のキッカケは、

東京の会社で働くことになり、煙草=印象が悪いと思っていた私は

新しく務める会社でマイナスなイメージを持たれたくない(嫌煙家がいたり、喫煙で仕事を抜けることが多いと嫌がられると思った)為、上京を前に禁煙外来へ行った。

 

禁煙外来の医者は脅かすように言った。

「いいですか、塩さん。ニコチンパッチを処方します。これを丸一日貼ります。貼っている間に煙草を吸うと、過剰にニコチンを摂取することになります。それをしてしまうと、二度と辞められなくなりますよ」

 

そうして禁煙生活がスタートした。

禁煙して最初の1週間で特に感じたことは、喫煙による生活のもたつき(何かアクションを起こす前・後にワンクッションで喫煙する)がなくなり行動が早くなったことだった。

そうか、今までこんなに喫煙に時間を使っていたのか。

このままいけば辞められるかな…

 

だがしかし、禁煙するということはそんなに甘いことではなかった。

新しい職場での対人関係、働きたててで要領を上手く掴めず深夜までの残業が重なり、入社してわずか1ヶ月で私はストレスが爆発した。

 

煙草…煙草が吸いたい。

深夜、会社を抜け出しコンビニへ煙草を買いに走り、灰皿を求めて街を徘徊したのだ。

灰皿、灰皿、灰皿…どこを探しても見つからない。

もう道で吸ってしまおうか、罰金2000円か…もう払ってしまえば良い。

いや、でもそれを会社の人に見られたら…もうすこし我慢だ…

 

会社からしばらく歩いて灰皿を探し彷徨い続け、ついに見つけた喫煙可のカフェ。

灰皿を店員から貰い、はやる気持ちで外のフィルムを剥がし、箱を開けた。新しい煙草の匂い。ずっと嗅いでいたいけど、とにかく早く肺に入れたい。1ヶ月ぶりの煙草に火を付けた。

 

うんめぇえええええええええええええええ

 

脳の引き出しの中の奥側の方から医者の声が聞こえてくる。

「それをしてしまうと、二度と辞められなくなりますよ」

 

関係ねぇえええええええええええええええ

うんめぇえええええええええええええええ

 

この医者はきっと、禁煙の成功率を上げるために、脅しとして言ったんだろう。

だがその言葉を間に受けていた私は「もう二度と辞められないって言われちゃったからな〜しょうがないよな〜」とそれから10年間、煙草を吸い続けました。

 

死ぬまで吸ってやる。病室でも死ぬ間際まで吸ってやる。

そう思っていたのだが、何故この度禁煙に踏み切ったのか。

 

A.引っ越しをしたから。

 

引っ越す前までは徒歩5分圏内のコンビニで、自分が愛してやまない「ピアニッシモ・プレシア・ディアス・メンソール」を買っていた。

 

ピアニッシモ・プレシア・ディアス・メンソール。この煙草、本当に素晴らしい。

今までホープ、ハイライト、ハイライトメンソール、などの煙草を吸ってきたが、

ある程度吸うと、必ず何故か吐き気や頭痛を起こしていた。

そんな中、ピアニッシモ・プレシア・ディアス・メンソール。

この煙草はそういった症状が全く現れなかった。

メンソールが抜群に強く、ガツンとした吸い居心地。

この煙草に辿り着き、10年ほどお世話になった。

 

が、しかしこの煙草、相当人気がないようで、

取り扱っているコンビニが本当に少ないのだ。

 

引越し先では周辺を探しても遠くまで歩いてみても売ってない、ない、ない。

内見の時点で「売ってない」と気づいた私は

引越し前にカートンで買い、新居に置いておき、また買える機会に買い溜めし…

となんとか吸い繋いでいた。

 

が、引っ越して1ヶ月程たち、とうとう全部吸い切ってしまった。

 

近場で販売しているお店はとうとう見つけられなかった。

取り寄せるか?コンビニの店員さんにお願いするか?

コンビニの店員さんにお願いしようものなら、定期的に買わなければお店は私以外に需要のない煙草の在庫を抱えることになる。それはなんだか縛られた気分になるな…

 

夫に会社の近くで買ってきてと頼むか?いや…仕事が終わってヘロヘロで、一刻も早く帰りたいってのに、人のために煙草買うとか。私だったらそんなお願いしてきたヤツぶん殴るな。

 

色々と頭を悩ませている時に、ふと思った。

「なんかめっちゃ煙草のことばっかり考えて、人生振り回されててムカつくな」と。

 

今までも何度か辞めようと思ったこともあったが、確実に今が辞め時ではなかった。

禁煙外来も禁煙補助薬を現在処方していない状態(チャンピックス出荷停止継続中)で、過去にニコチンパッチのみの挑戦で失敗した私は

薬が再販されていないこの時期は絶対辞められるはずないと思った。

 

だけど、ムカついちゃったのだ。私を振りまわりやがってと。

今はニコチンレスの煙が出る機械とか茶葉とか、代用品も充実している。

あれやこれや、文明の力を頼ってやってみよう。

 

というか、吸いたくても愛しのピアニッシモ・プレシア・ディアス・メンソールは手に入らないのです。

 

というわけで、やむを得ない禁煙、始めました。